催眠による健康法 本文へジャンプ
「催眠」を行う上での注意

 催眠は、物を相乎にするのとは違います。一個の独立した人格を持った人にかけるのですから、その人を尊重し、大切にする気持ちを持って臨まなければなりません。
 以下の項日に従い、細心の注意を払って行なうようにしてください。
①各技法がそらでスムーズに言えるようになってから、初めて人にかけるようにしてください。当たり前と言えば当たり前なのですが、うろ覚えでやって失敗したら自信
をなくすだけです。また、相手の人にも催眠に対する悪いイメージを植えつけてしまいます。余裕があるということは、危険防止にもつながります。暗示をかけることだけに必死になっていたら、ほかのことには気が回らなくなります。
単に言葉を覚えるだけではなく、自分自身の動きを含めた総合的なイメージトレ~ニングをしておくことをお勧めします。

②相手が催眠に対してどのようなイメージを持っているのか、よく聞き出してください。もし、誤解があるようなら訂正する必要があります。次の点について正しい理解
をしてもらわなければなりません。
●催眠は眠りではない。もし眠ってしまったら、それは睡眠に変わったということ。
●意識は低下することはあっても、絶対になくなったりはしない。むしろ浅い催眠状態では、覚醒状態とほとんど変わらない。
●意識があるので、抵抗しようと思えばいくらでも抵抗できる。だから自分にとって不利なことや望まないことはかからない。
●催眠はけっして万能薬ではないし、どんなことでもできるわけではない。過去の辛い記憶を消すことはできない。
●人格が180度変わってしまうなどということはない。
●催眠にかかったまま覚めないということはない。どんなに深くかかっても、ちゃんと覚めるものである。

③被催眠者には、ラフで動きやすい服装をしてもらいます。カッチリしたスーツや、体を締めつけるような服は不向きです。眼鏡、時計、ブラブラするようなイヤリングなどは外してもらいます。ポケットも空にしてもらいましょう。また、満腹でも空腹でもよくありません。

④催眠をt行なう場合は、暗すぎず明かる過ぎず、暑くも寒くもない静かで落ち着ける部屋を使います。必ず畳の部屋か、ふかふかした絨毯敷きの部屋を選びます。体を床に倒したりするので、硬い床の上では絶対に行なわないでください。
うまく催眠をかけることよりも、相手にケガをさせないことのほうがずっと重要です。また、そういう意味では狭い部屋ではなく、出来るだけ広い部屋が望ましいでしょう。,家具や柱の角に頭をぶっつけたり、上から物が落ちてきたりすることのないよう配慮しなければなりません。

⑤立位後倒法や全身硬直法は、体重が自分よりもずっと軽い人を相手にして練習してください。同じ体重以上の人を相手にするのは、ちゃんとコツがつかめ、自信が持てるようになってからにしてください、,自分よりも20kg以上重たい人に後倒法を行なうのは禁物です。相手だけではなく、あなた自身も致命的なケガをしてしまう危険性があります。

⑥本能運動の際に、相手の動きを煽るためにギターのボディーの部分を指で小刻みに叩いて音を鳴らしますが、初心者のうちは控えたほうが無難です。特にものすごくよく動く人の場合、椅子から転げ落ちてくることだってありえますので、ギターを持たないで、相手の前に陣取っておく必要があります。
万一、転げ落ちてきたとしても、抱きかかえられるようにしておくのです。それができる自信がないのならば、本能運動自体行なわないでください。くどいようですが、ケガだけは絶対させないことが大切です。

⑦相手がよく反応するからといって、座位回転運動や本能運動を長時間行なわないでください。気分が悪くなってしまうことがあります。三半規管が弱い人や、車酔いする人の場合、左右運動や前後運動でもそうなることがあるので、充分注意する必要があります。そういう人の場合は、催眠を始める前に、わざと体を揺らしてもらって、大丈夫かどうか確かめておくといいでしよう。

⑧相手が反応するのに、あまりにも時間がかかる場合は、最後まで粘ろうとしないでください。観念運動などで、ある程度時間をかけても少ししか動かないようだったら、途中でやめたほうがよいでしょう。そして、いったん覚醒させて、どんな感じがしたか感想を聞いてみてください。腕の開閉法や腕の上昇や下降など、何分間も続けられたら腕が疲れるし、嫌になってしまいます。相手あっての催眠だということを忘れてはなりません。一つの技法がうまくいかなくても、ほかの技法だったら成功するかもしれません。いくつか試してみることも大切です。特に動的催眠にはぜんぜん反応しなくても、静的催眠にはスムーズに入っていける人もいます。ですから、一つのやり方にこだわる必要はありません。

⑨遊び半分、面白半分で催眠を行なうことはしないでください。リラックスしたり、ストレスの解消をするなど、あくまでも相手の役に立つことを目的にして、催眠を使うべきです。相手が嫌がることや、恥ずかしがるようなことを強制させるのは禁物です。あなたの信頼をなくしてしまいます。催眠術のショーをやるのとは違うのです。

⑩男性が女性に催眠をかける場合、細心の注意が必要です。相手が恋
人や家族以外の人の場合、第三者(それも女性〉に同席してもらうといいでしょう。

⑪いかにも「催眠をやってます」というようなオーバーな話し方はしないことです。相手がおかしくて吹き出してしまうかもしれません。自然にサラッとした話し方をしたいものです。と言っても日常会話のしゃべり方とは違いますが、極端に抑揚をつけたり、変に気取ったりするのはやめましょう。

⑫覚醒させるときは、時間をかけて丁寧に行なわなければなりません。
「覚めました」と言ったあとに、すぐに被催眠者が目を開けたりしないようにしてください。目を閉じたまま手足の屈伸などをしてもらい、体中に充分に力がもどるよ
うにします。覚醒法が不充分だと、あとになって頭痛や吐き気がしたり、手足の痺れが残ったりすることがあります。各技法を単独で行なったあとも、面倒がらずに覚醒
法を行なってください。

 ここまで読んできて、何だか気が重たくなってきたかもしれません。
へたに催眠などやらないほうがいいかもしれないと思ったかもしれません。もちろん、そうです。でも、催眠はとても楽しいものです。相手'にとっても自分にとっても、楽しい催眠にするための必要条件であると思って、これらの注意をぜひ守るようにしてください。


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